【シネマ歌舞伎】ふるあめりかに袖はぬらさじ|坂東玉三郎の名演

 

こんにちは、パープルです。

 

今回は、シネマ歌舞伎の『ふるあめりかに袖はぬらさじ』を観た感想を書いていきます。

 

これは本当に名作。何度でも観たい。

 

作品としての面白さと奥深さ

私、この作品はシネマ歌舞伎で初めて観ました。

 

事前にこちらの予告動画だけ見ていったのですが、

 

 

この動画だけを見ると、ちょっと真面目で暗い話なのかなと思ったのですが、、、

 

実はとんでもない、

 

暗めの内容には変わりありませんが、笑いあり、切なさありの、素晴らしい人間ドラマになっていました。

 

これには鑑賞しながらとっても驚いてしまいました。

 

 

幕末が舞台の作品で、

時代の移り変わりに伴う騒々しさと大義名分を貫く男達を背景に、

必死に生きる主人公の芸者お園と遊郭の人々の物語。

 

芸者の自死や、尊王攘夷の動きなど、

要素だけ聞くとなんだか重苦しそうな話なのですが、

 

それを重たくせずに笑いを巧みに取り入れ、

観ていて飽きないお芝居に作り上げているあたり、

作者である有吉佐和子の劇作家としての力を感じました。

 

あとはもちろん脚本の力だけでなく、主役の坂東玉三郎さんを筆頭に、演じる役者さん達の演技の魅せ方もあります。

 

玉三郎さんの演技がとにかく素晴らしかった。

 

どこで見たかは分からないけど、

「ああ、こういう女性いる」って既視感を持ったくらい、

なんだか今は懐かしい昔の女性を見事に演じられていました。

 

 

この作品について、玉三郎さんはインタビューでこのように話しています。

 

喜劇なのか悲劇なのか、わからないところで、あれだけ楽しませながら、人間の深層心理を深く描いていきます。
そして、最後にお園が女性としての本心を言う・・・不条理劇のようでありながら、非常に心情に訴える、とても素晴らしい作品です。

 

玉三郎さんの言うとおり、本当に喜劇なのか悲劇なのか分かりません。

 

ベースとしての物語は暗いので悲劇にも見えるんですが、

その上では登場人物たちがおもしろおかしく話を進めていくので、

喜劇にも思えてくるんです。

 

だから、どちらとも言えないんですよねぇ。

 

 

ふと、井上ひさしの小説や劇などを連想しました。

 

井上ひさしも深刻な話を、喜劇要素を取り入れて軽妙に語っていきましたから。

 

通じるものがあります。

 

 

で、その悲劇と喜劇の繰り返しの中で、人間の心の切なさ、哀しさがしっかり表現されている。

 

だから作品にとても深みがあって、観ている私たちはどんどん物語に引き込まれて感情移入し、作品の素晴らしさに唸らされてしまうんです。

 

 

いや本当に、ものすごく素晴らしい作品です。

 

歌舞伎とはなっていますが、

単純に劇、物語として観ていておもしろいので、

映画やドラマが好きな方なら皆楽しめる作品なんじゃないかなと思います。

 

この物語だと下手するとただ難しいだけの作品になりそうですが、

そうせずに大衆の娯楽作品に仕上げているところが、

やはりこの作品の最も素晴らしいところじゃないかなと私は思いました。

 

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豪華役者陣の演技に引き込まれる

この映画1番の魅力的な人物は誰かと聞かれれば、やはり坂東玉三郎さんが勤める主役のお園でしょう。

 

親切で、ちょっとお節介焼きで、

時代に流されている男達の様子を冷静に見つめながら、

その中でなんとか自分なりに精一杯生きていく女を見事に演じています。

 

玉三郎さんの表現力には本当に脱帽です。

 

親しい人たちが去って行ってしまい、

自分独りが残されていく寂しさや儚さを、

なんて言ったらいいか、

切なさと哀しさの雰囲気を漏らしながら、

強く確かに演じています。

 

最後の独りの場面は、そんなお園の感情が寂しさいっぱいにあふれ出ていて、本当に素晴らしかった。

 

 

あれからお園はどうなったのか。

 

たぶん、何も変わらずにこれまでどおり過ごし続けるんでしょうけど、

そんなことも想像すると、

よけいにお園の心の無常観が伝わってきて、

この作品への評価が上がっていきました。

 

また玉三郎さんのあの演技が観たいですね。

 

 

そして玉三郎さんだけじゃないです。

 

他の役者さん達ももちろん素晴らしかった。

 

 

特に私が引かれたのは、やはり中村勘三郎さん演じる遊廓の主人です。

 

地味だけど、勘三郎さんのあの役は好きだなぁ。

 

お客にへこへこする主人をあんな自然に演じれるなんて、さすが役者だなぁと思いました。

 

玉三郎さんもそうですけど、

表だけじゃなく、

性根の部分からすっかり役になりきらないと、

あんな風に自然に役になりきれないんじゃないか。

 

演技素人の私なんかはそう思いました。

 

 

この他、あとの出演陣もとても素晴らしかったのですが、

私の言葉の表現力がないため、

これ以上うまく伝えられないのでこのへんにしておきます。

 

本当、素晴らしいの一言なんですよね。

 

素晴らしいです。

 

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『ふるあめりかに袖はぬらさじ』の意味は?

この言葉が初めて出てくるのは、自死した遊女、亀遊について書かれた瓦版の文中です。

 

亀遊は読み書きができなかったのですが、なぜか辞世の句を誰かに捏造されました。

 

その句の中の一節に、この『ふるあめりかに袖はぬらさじ』という言葉が書いてありました。

 

 

どういう意味かと聞かれると、

私も正直よく分かりませんけど、

物語では、亀遊はアメリカ人に身請けさせられることになって、

好きな相手、藤吉と結ばれなくなってしまうことになりました。

 

恋が叶わぬ寂しさと、アメリカ人に身請けされる恐怖と嫌悪などの辛さから、

亀遊は自死を選んだと推測されるのですが、

なのでその心境が、『ふるあめりかに袖はぬらさじ』なんだと思うんです

 

 

決して亀遊本人が詠んだ句ではないんですけどね。

 

たぶん、恋人の藤吉が捏造したのだと私は思います。

だって、亀遊の心情を知っていたのは、藤吉とお園だけだったんですから。

 

 

ふるあめりかに袖はぬらさじ。

 

切なく、美しい言葉ですね。

 

最後に

というわけで今回は、シネマ歌舞伎『ふるあめりかに袖はぬらさじ』の感想を書いてきました。

 

何度も言っていますが、本当に素晴らしい作品です。

 

また上映されたら絶対に観に行くし、実際に当時舞台でも観てみたかったですね。

 

あとは、DVD化も熱望します。ぜひなってほしい!

 

ありがとうございました。^^

 

 

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