
こんにちは、ジェシカです。
今回は、ハイファッションブランド
『JWアンダーソン』の顔であり、
『LOEWE(ロエベ)』人気の立役者でもあるファッションデザイナー、
ジョナサン・ウィリアム・アンダーソンについて知るためのガイドです。
彼を知ると、今後の未来のファッションが見えてきます。^^
目次
ジョナサン・アンダーソンのプロフィール
ジョナサン・ウィリアム・アンダーソン(Jonathan William Anderson)は、
1984年生まれの現在35歳。
北アイルランド出身です。
こちらが彼↓
彼は専門の学校でファッションを学んだ後、
自身の名前を冠したファッションブランド『J.W.アンダーソン』を立ち上げました。
(のちに『JWアンダーソン』に改名)
2008年にメンズコレクションから始まり、2011年にウィメンズコレクションを発表。
そして2013年、
160年以上の歴史を持つブランド『LOEWE(ロエベ)』の
クリエイティブ・ディレクターに就任し、現在に到ります。
ではでは、彼の経歴をザッと知ったところで、もっと細かく彼を知っていきましょう。
ジョナサンは日本の工芸品が大好き
ジョナサンはアートに強い興味関心を持っていて、
特に陶器などの工芸品にとても魅了されているようです。
日本の伝統工芸品のコレクターでもあるようで、
日本通としても知られています。
ちなみに、日本については「若いころから日本の工芸に魅力を感じてきた。一見地味に見えるが、伝統をベースに洗練させながら次世代に引き継ぐ在り方に魅了されてきた」とコメント。「年に1回ほど来日するが、東京が大好きで、つい買い物しすぎてしまう」とも明かした。
彼のファンの間ではよく知られていることですが、
彼は『クラフト』や『スキル』に非常にこだわっています。
手作業であることや、
その技術のことを言っているのだと思いますが、
上で引用した本人の言葉を読めば、
このこだわりはすぐに納得できますよね。
彼がよく言っているのは、「手作業が機械を生む」ということ。
現代はファストファッションの時代で、
服でも雑貨でも多くのものが機械で作られてしまいます。
でも彼は、そんな風潮の世の中で、
手仕事の工芸品のように、
洋服もクラフト精神を大事にして作り上げていく。
その行為を大切にしているから、
「手作業が機械を生む」という言葉を持っているのだと思います。
『JWアンダーソン』でも『ロエベ』でも、
彼のコレクションにはこの言葉が如実に表現されています。
クラフツマンシップの妙が洋服の仕立てによく出ているなと思いますし、
そこだけに留まらず、
彼の工芸品への敬愛意識は、
作品の雰囲気にも表れているなと思います。
これについてはまた後述しますね。
というわけで伝統工芸を愛する彼はロエベにて、
卓越した技術を持つモダンなクラフツマン(職人)を発掘、評価するという目的で、
『ロエベ ファンデーション クラフト プライズ』
というクラフト賞公募展を行なっています。
審査員の中にはもちろんジョナサンもいるのですが、
この企画の優勝者や最終選考者の作品が本当に美しい。。。
例えば、こちらは最終選考者の作品なのですが、
これは一目見て凄い作品だなと。。。
静けさの中に潜む暴発する力というのを感じましたし、
どことなく、
テロや暴力が潜んでいる現代社会を表しているように私は感じました。
素晴らしい作品だなと思ったし、
またこれを選んだジョナサンも素晴らしいと思いました。
で、優勝者の作品はこれまた凄いです。
一瞬、なんですかこれは?という感じですよね。
これ、組み合わせた発泡スチロールの球に、
漆を何ヶ月もかけて塗り重ねていった作品みたいです。
着想源はネットに入った蜜柑なのだそう。
おもしろいですよね。^^
このように、確かな技術を持ったクラフツマンを
支援する企画を行なっているのも、
やはりジョナサンらしいなぁと思うのです。
ジョナサンのデザインの特徴:伝統と型破り
では、彼のデザインの特徴を見ていきましょう。
JWアンダーソンの場合
私は、『JWアンダーソン』のコレクションを見ていて、いつもこんな言葉を感じています。
○継ぎ接ぎ・継ぎ当て・パッチワークの妙
○レイヤー・重ね方の巧みさ
○スタイリングの巧みさ
○尖りすぎない静謐なクール
コレクションの雰囲気を言葉で表現するのは本当に難しいんですが、
彼の作品を見ていると、
やはりアーティスティックな印象は受けます。
でも、とことんアーティスティックに偏るのではなく、
日常に違和感なく溶け込む自然な芸術性なんです。
だから、前衛的、モダンでいながら、
フェミニンな美しさもしっかりあり、
1つの洋服の形として完成しているなぁと思わされます。
以前セリーヌのデザイナーを勤めていたフィービー・ファイロにも、
このような感覚を持っていました。
ラフ・シモンズもアーティスティックなんですが、
彼の場合は芸術性が結構強めに私は感じます。
もちろん、彼は彼でステキですし、
色々あるからファッションはおもしろい。
ジョナサンの特徴のすべてを言い表すことなんてできませんが、
だけどその1つは、
アーティスティックな感性を行き過ぎない程度で綺麗にまとめている
ところだと私は思いました。
■2019AWコレクションより
前の章で、彼は伝統工芸品に魅了されているということを話しましたが、
彼の作る洋服って、なんとなくさっき挙げたような
陶芸などの工芸品にとても似ているなと思うんです。
それは技術だけの話ではなくて、
作品が放っているエネルギーも、
陶芸作品と似ていると思うんですよ。
『ロエベ ファンデーション クラフト プライズ』の最終選考に残った作品をもう一度見てみると、
などのように、こういった工芸品って、
当たり前ですがとても静謐なんですけど、
でも、内にものすごいエネルギーを秘めているような気がしませんか?
私にはこの硬い素材が、エネルギーの暴発を中で抑えているように感じるんです。
で、ジョナサンの作る服にもそれと同じような雰囲気を感じるんですよね。
静かで決して騒ぎすぎず、
美しく整っていながらも、
でもなんだか服全体の中に凄いエネルギーを秘めているような。
そんな印象を私は持ってるんです。
LOEWEの場合
彼の陶芸作品のようなイメージは、
もちろんロエベのコレクションからも感じます。
ロエベの場合は加えてこんな言葉を感じるんです。
○柔らかな美しさ
○静かな強さ
そしてやっぱり、現代に違和感なく自然と溶け込むアヴァンギャルドという感じですね。
私は忘れられないコレクションがあります。
それは、ジョナサンがロエベに就任して最初のコレクションの、ファーストルック。
動画で紹介。最初のルックだけでも見てください。
そのワンピースが、とてつもなく素晴らしかった。
ステキでステキでもうステキしか言えないんだけど、本当にステキで。
ロエベが持つクラフトマンシップをしっかり打ち出した伝説の名作だと思います。
私はずっと目に焼き付いて離れない。
ああ、今さらだけど欲しかったなぁ。(´・ω・`)
ジョナサンはどのブランドでも
アーティスティックな要素を作品に取り入れていますが、
そこに偏りすぎないのは、
彼が『シルエット』を重要視しているからかもしれません。
彼は、「とにかく大切なのはシルエットなんです」と言っています。
そこがジョナサンの型破りな美の秘訣なのかもしれないですね。
■2019FWコレクションより
スペインの老舗レザーブランドだったロエベは、
ブランドを刷新する必要を感じていたようで、
それでジョナサンを起用しました。
ジョナサンもロエベを新しくする必要をやはり感じたようで、
「モダンな方法でブランドの歴史を若者に伝える」
ことを意識したそうです。
ロエベはスペイン王室御用達ブランドでもありましたが、
多分時代の変化に乗れずに老舗のままで進んでしまい、
ちょっと古い印象だったのでしょうね。
そこへジョナサンがモダンな新しい風を取り入れ、
現在の大人気ブランドへと生まれ変わらせました。
ジョナサン、本当に素晴らしいですね。^^
▶︎▶︎このあたりの話はギョーム・アンリ率いる現在のPATOUにも関連しています。
ジョナサンはメンズの未来を変える
ウィメンズラインと併せて忘れちゃならないのが、
彼の作るメンズラインです。
これは『JWアンダーソン』でも『ロエベ』でもそうですが、
彼のメンズ服は最近とてもジェンダーレスになってきています。
LGBTが市民権を持つ現代だから、
彼もそれを反映してメンズラインも作っているのかもしれませんが、
でもまだまだメンズ服というと
メンズの枠からは抜け出てないスタイルのほうが多いです。
なので、そんな中で彼が生み出す
ジェンダーレスで性別を超えた服は、
とてもおもしろくて素晴らしいなぁと私は見ています。
■LOEWE2020SS MENSコレクションより
これ、女性が着ても全然問題ないですよね。
これまでも世界中の人々のファッションを、
たった1つのコレクションが変えてきた歴史があります。
男性の服というと型はほとんど決まっていますが、
そのあたりの流れをジョナサンやラフ・シモンズなどの
アーティスティックなデザイナーたちがどこまで変えていけるか?
その行方が非常に楽しみです。^^
ユニクロやコンバースとのコラボ
ジョナサンは他のブランドとのコラボも積極的に行なっていて、
ユニクロともすでに4シーズンもコラボを行なっています。
これは今年の春夏↓
そんなコラボアイテムは今年も来月10月に、
秋冬コレクションがユニクロにて発売されます。
今回のコレクションではタータンチェックなど、
イギリスを想起させるデザインが取り入れられているそうですよ。
全ルックの発表はまだなので、これから楽しみです。^^
また、彼はインタビューで、コンバースが大好きであるということを話しています。
「CONVERSE(コンバース)」には常にハマっていて、数えきれないくらいもっています。今日履いているこの黒の「CONVERSE」は、2年ほど履き続けたものです。
そしてコンバースとのコラボ商品を現在も出しています。^^
これから他にどんな企業やブランドとコラボするのか、それも楽しみです。^^
最後に
というわけで今回は、ジョナサン・ウィリアム・アンダーソンを知るためのガイドでした。
アートにも造形が深く、日本の伝統工芸が大好きな彼。
今月後半にはいよいよプレタポルテファッションウィーク(パリコレ)が始まりますし、
『JWアンダーソン』に『ロエベ』と、
2つのショーが今からとても楽しみですね!
(ていうか一度に2つのブランドを手がけてるって大変だなぁ…)
彼の作る服は世界のファッションをどう変えていくか?
これからも期待大です。^^
以上、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。^^