【歌舞伎演目】名月八幡祭|尾上松緑の迫真の演技!辰之助追善

 

こんにちは、パープルです。

 

今回は、今年2月に歌舞伎座で行われた二月大歌舞伎から、『名月八幡祭』を観た感想を書いていきます。

 

舞台上の仕掛けも多く、昼ドラさながらのドロドロ話なのですが、とてもおもしろい作品です。

 

尾上辰之助追善の名月八幡祭

名月八幡祭はどういう話か一言で言ってしまうと、『女に狂った男が起こす悲惨な物語』です。

 

今回のキャストはとても豪華で、主役の商人新助には尾上松緑さん。

 

 

売れっ子芸者の美代吉には坂東玉三郎さん。(たまらん)

美代吉の情夫、船頭三次には片岡仁左衛門さん。(惚れる)

 

 

などなど、豪華出演陣での舞台となりました。

 

 

このベテラン2人の出演には、32年前に亡くなられた初代尾上辰之助さんの追善が関わっています。

 

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今回の歌舞伎は『三十三回忌追善狂言』となっており、尾上松緑さんのインタビューではこのように書いてあります。

 

辰之助が2度目に新助を勤めたとき(昭和58年6月)、美代吉は玉三郎、そして三次は仁左衛門でした。「思い出深いもの」と松緑の言う、その舞台の二人が、追善だからと同じ役でそろって出演します。「心強いお言葉をいただきました。まさか、父の盟友だったお二人が出てくださるとは思わなかった。俺がやるよ、と父が出て来るんじゃないかと思うような顔ぶれで、本当にありがたい」

 

仁左衛門さん、玉三郎さんにとっても、亡くなられた辰之助さんと共演した思い出深い作品なんですね。

 

そして、その尾上辰之助さんの息子である尾上松緑さんが、今回父がかつて演じた新助という役を勤める。

 

時代を超えて受け継がれていく歌舞伎というのは本当におもしろいですね。^^

 

 

そんな名月八幡祭ですが、内容は先にも話したように『女に狂った男が起こす悲惨な物語』

 

商人新助は芸者の美代吉に惚れてだまされ、故郷の財産をすべて売り払うものの、美代吉にすげなく追い払われてしまう。

 

それによって帰る家を無くしてしまった彼は、精神状態がおかしくなってしまい、美代吉を狂った刃にかける。

 

というお話です。

 

 

このドラマがとてもおもしろく、また舞台装置の演出も派手なので、とても見応えがある作品です。

 

時代劇版の昼ドラのような雰囲気ですし、男と女の愛憎劇という普遍的な内容なので、私も楽しんで鑑賞することができました。

 

この作品には原型となる作品があり、それは江戸時代に河竹黙阿弥が作ったもの。

それを池田大伍が近代的視点で書き改めて、1918年に初演されたのが今回の作品です。

 

元の作品でも、江戸時代には人気の演目だったんじゃないかなと思います。^^

 

尾上松緑の狂気に惹き込まれる…!

尾上松緑さんが演じる新助の顛末は悲惨です。

 

新助は田舎のウブな男で、ずっと想いを寄せていた芸者の美代吉に裏切られて財産を失い、狂ってしまいます。

 

 

これって現代にも十分置き換えることができて、

今でいえばさしずめキャバ嬢に入れ込む女性経験0の男性という感じでしょうか。(こんな風に置き換えるのもなんだけど)

 

キャバ嬢に都合よくだまされて何度もお金を貢ぎ、最後は頭がおかしくなって恨んで女を手にかけてしまうというような。

 

命を奪うまではあまりなくても、お金を貢ぐまではよく聞く話ですよね。

 

こう考えてみると、人っていつの時代も同じようなことやってますね…。

 

 

で・も・です。

 

女が原因で財産を失うと言っても、江戸時代と現代では時代状況が全然違います。

 

今の時代ならたとえ財産を失って無一文になっても、働くところはいくらでもあるし、インターネットもあって起業も簡単になったので、再起することはいくらでも可能です。

 

だけど、江戸時代は身分や職業の枠もあって、今のように何でもかんでも自由にできる時代じゃありません。

 

そんな状況の中で故郷の財産をすべて売り払って家をなくすというのは、再起不能なくらいのダメージがあるのではないでしょうか。

 

帰る家もなく、故郷の母が住む家もないのですから。

 

 

まあ、とはいえ、

財産を売り払った大金は持っていたのですから、もう一度最初から始めようと思えばできたのかもしれません。

 

でも彼はそうする気力を失ってしまった。

 

大切な財産を失ってしまったショックと、あと大きかったのは、やはり美代吉にだまされ、裏切られたことだったんじゃないかなと思います。

 

一途な性格だったので、堕ちていくのも一途だったんですねえ。。。

 

 

そんな新助の顛末を、尾上松緑さんは丁寧に抑揚たっぷりに演じていました。

 

真面目。働き者。親孝行。

絵に描いたようないい人が、女に裏切られて絶望のどん底に落ちて、狂ってしまってふらふらになる。

 

その変化を、松緑さんはとても丁寧に表現されていました。

 

前半の真面目で親孝行者の優しいところを観てきたから、後半のどん底状態がとても強烈に引き立つんですよね。

 

ああ、、、こんなになっちゃって、、、という感じでした。笑

 

松緑さんのボロボロふらふら、頭がおかしくなってしまった男の演技は最高でした。

 

目が虚ろで、、、素敵というのもなんですが、でもやっぱり素敵な演技でした。^^

 

坂東玉三郎、片岡仁左衛門の共演がたまらない

松緑さんの新助という役をコントラストで引き立てていたのが、玉三郎さんの美代吉と、仁左衛門さんの三次です。

 

 

さすがのお二人でしたね〜。

玉三郎さんは美しくて、田舎者の新助にはとても掴まえられない奔放な女を上手に演じていましたし、

仁左衛門さんの三次はただただ素直にかっこよかった。

 

私でも新助ではなく間違いなく三次に惚れます。

 

しかも、二人の役は恋仲の関係なので、隣に座って酌み交わすその光景を観ているだけで最高でした。^^

 

 

新助は美代吉にだまされて裏切られたと信じ込んでいるのですが、でも実際はどうなんだろうと思うんです。

 

美代吉もだましたというほどのものでもないと思うんですけどね。

故郷を売り払ったと聞いて、美代吉もビックリしたと思います。

 

入れ込んだ新助が悪いのか?

ぞんざいな態度をとった美代吉が悪いのか?

 

この辺りも考えて観てみると、とてもおもしろいですね。

 

 

どちらにせよ、口は災いのもと。

 

それは現代でも気をつけなきゃいけませんね。

 

 

しかしまぁ、仁左衛門さんがかっこよかったなぁ…。笑

 

最後に

というわけで今回は、2019年二月大歌舞伎で行われた名月八幡祭の感想を書いてきました。

 

舞台装置も凄いし、音響も凄いし、見どころたっぷりの作品です。

 

「歌舞伎はエンタメだよ!」と改めて教えてくれる作品でした。

 

終盤の新助と美代吉のシーンは迫力がありました〜。

 

これから観る方に、この記事が参考になれば幸いです。^^

 

ありがとうございました。

 

 

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